生物的危害要因 ⑪ノロウイルス-1

こんにちは。
中央海産株式会社の高松です。
冷蔵・冷凍倉庫で、食品衛生事業を担当しています。
今回はノロウイルスの解説を行っていきます。

ノロウイルスはやっつけづらい!

ノロウイルスは日本だけでも毎年数万人(最多)の食中毒患者を出している「食中毒界の王」として君臨しています。届け出されただけでこの数ですから、潜在的な感染者は年間数百万人に達しているかも知れません。数十個〜100個が口に入っただけで感染が成立するため、食品の新鮮度が関係せず、ほんのわずか付いただけで危険なこと、アルコール系消毒剤に抵抗性で乾燥にも強いことが、これだけ多くの食中毒患者を出している理由です。

高リスク層では重症化も・・・

一次感染は、多くがカキ等の二枚貝の生食あるいは加熱不足によるものですが、大規模な集団食中毒は感染した従業員からの二次感染によるものです。潜伏期は12〜48時間、症状は激しい嘔吐と水様性下痢を特徴とします。通常は後遺症なく2~7日で回復しますが、ウイルスの排出はさらに長く続きます。またハイリスク層(乳幼児、高齢者)では重症化しやすく、感染が致命的になるケースがあります。