化学的危害要因 ③残留農薬

こんにちは。
中央海産株式会社の高松です。
冷蔵・冷凍倉庫で、食品衛生事業を担当しています。
今回は残留農薬の解説を行っていきます。

人体に危害を与えるほどの事例はまれ

残留農薬に関してですが、人に危害を与えるほどの農薬の混入事例はあまり多くありません。故意で混入をしてしまうなどの事件の場合は、人体に悪影響を与える規模の事例が発生してしまいがちです。しかし、残留農薬による食品の回収事例はたまに耳にします。なぜそのようなことが起きているかというと、該当作物に認められていない農薬の使用や、交差汚染が分析によって発覚し、回収される場合があるからです。

別の作業からの交差汚染による混入事例が多い

例えば、農場で複数の作物や花卉を育てていた場合、花卉に農薬を散布した後に、野菜の農薬を長靴を洗浄しない、または履き替えずに行ってしまった。そういった場合に、土壌から花卉向けの農薬成分が、野菜に付着してしまい、その野菜に対して認可されていない成分が付着した野菜が流通してしまったことが判明した。その結果回収となった。
というような形の事例が非常に多いです。ほかにも、使用濃度のミスや、農薬の誤使用など、様々な事情で回収になる事例があります。

使用履歴の管理が大切!

生産者さんは、農薬の使用方法の管理をしっかりとし、情報を提供しやすくしておくこと、飲食店などの購入者側は、生産者側と農薬使用履歴について確認しておくこと、場合によっては覚え書きを交わし、責任の所在を明確にしておくことが必要になります。農薬の使用は、経営と顧客との信頼の根幹に関わることです。気を引き締めて使用していきましょう。