生物的危害要因 ⑨カンピロバクター

こんにちは。
中央海産株式会社の高松です。
冷蔵・冷凍倉庫で、食品衛生事業を担当しています。
今回はカンピロバクターの解説を行っていきます。

鳥や豚の腸内常在菌なので、新鮮だろうと付着しているもの

カンピロバクターは、やや長細いらせん状の菌で、鶏や豚等の腸内常在菌です。屠殺時に肉に付着することがあります。鶏肉はよほど注意深く屠肉にされたものでない限り生食は避けるべきです。また、鶏レバーは内臓ですから、必ず内部まで火を通さなくてはなりません。つまり安全な鶏の生レバーは世の中に存在しません。

発症菌数が少ないため、付着しただけで危険!

発症するための菌数が100個前後と少なく、ごく僅か付いているだけで危険です。つまりこの菌の場合は、食材が新鮮かどうかは関係しません。むしろやや酸素を嫌う微好気性菌なので、新鮮なほど危ないとも言われます。感染すると下痢・発熱・腹痛・嘔吐等の重い腸炎症状を引き起こし、入院を必要とするケースが多いです。

ギランバレー症候群を引き起こす可能性がある!

また、およそ0.1%の確率で、ギラン・バレー症候群という重い後遺症を引き起こす可能性もあります。運動神経の麻痺を中心とした症状で、回復には長い時間が掛かり、一生治らないこともあります。