生物的危害要因① 黄色ブドウ球菌

こんにちは。
中央海産株式会社の高松です。
冷蔵・冷凍倉庫で、食品衛生事業を担当しています。
今回からは危害要因の解説を行っていこうと思います。
まずは生物的危害要因である黄色ブドウ球菌の解説から行っていきます。

黄色ブドウ球菌の毒素は熱で分解されない

人間の皮膚や鼻の穴に住んでいる常在菌です。調理従事者が手袋やマスクを着用する理由の一つはこの菌の混入を避けるためです。菌自体は特に熱に強い訳ではありませんが、作る毒(エンテロトキシン)は熱に安定で、調理程度の加熱では残ってしまうので注意が必要です。

手指のけがや傷口に注意!

手指等のケガ、特に化膿時に傷口で増殖しやすい性質があり、手指に傷があるときは調理を控えるべきです。潜伏期間はごく短く、この毒を摂取するとおおむね数時間で激しい嘔吐や腹痛に襲われます。調理者の手から食品に付着しやすく、お弁当や惣菜、おにぎり等が原因食材になることが多くあります。 家畜の常在菌でもあり、殺菌前の牛乳にはこの菌が混入していると考えた方が適切です。
注意すべき食材は、生乳、弁当、惣菜(そうざい)、おにぎり、等です。扱う際には手指傷がないかチェックを行い、手袋をするなどしっかりと管理をしていきましょう。