生物的危害要因② ボツリヌス菌

こんにちは。
中央海産株式会社の高松です。
冷蔵・冷凍倉庫で、食品衛生事業を担当しています。
今回はボツリヌス菌の解説から行っていきます。

ボツリヌス菌は熱に強い!

ボツリヌス菌は、酸素を嫌う菌(嫌気性菌)で、私たちの暮らしている環境の酸素濃度では増えることはありません。しかし真空パックや窒素充填された製品の中でこっそり増えていることがあります。この菌の作り出す毒は世界最強とも言われ、ごく僅かな量で人間の神経を麻痺させてしまいます。この菌は栄養が枯渇すると芽胞を作って休眠します。芽胞は熱に大変強く、100℃まで加熱してもなかなか死にません。陸上の土だけでなく、海や川、湖の泥の中にもこの菌の芽胞が眠っているため、畜肉だけでなく水産食品も注意が必要です。

乳児ボツリヌス症にも注意!

またハチミツの中にもこの菌の芽胞が入り込んでいることがあります。腸内細菌バランスが安定している大人は通常問題ありませんが、腸内環境の未熟な1歳未満の乳児では腸内で増殖することがあるため、乳児にハチミツを与えてはいけません(乳児ボツリヌス症)。注意すべき食材・食品は、家畜の肉、ソーセージ、燻製品、水産食品、缶詰等です。真空状態になる保存方法の場合、保存している製品にガスが発生し、膨らみが無いかなどをチェック・管理していきましょう。